2021年10月、早稲田大学内に村上春樹ライブラリーがオープンしました。
20年越えの村上春樹さんファンとしては、何としてでも行かなくては!と思いつつ、なんやかんやで1年経ってしまいましたが、ようやく伺うことができました。
これから行かれる方の参考になれば嬉しいです。
村上春樹ライブラリー
建築家 隈研吾によるリノベーション
村上春樹ライブラリーのリノベーションを手がけた隈研吾は、木材をふんだんに使用した日本的な建築を数多く手がけることで知られる建築家です。1階から3階までの吹き抜けにかかる木のアーチが美しく、解放感がありつつぬくもりを感じました。やはり木ってなんだか落ち着きますよね。
村上春樹さんの全作品とオーディオルーム
ギャラリーラウンジには翻訳書含む春樹さんの全作品が並んでいます。
本屋さんではあまりお目にかかれないもの(少年カフカなど)も収蔵されており、オーディオスペースで春樹さんの本を読むという至福の時を過ごしました。重厚感がありながらクリアな音でゆったりと聴ける感じでした。
村上春樹さんも月1で立ち寄るとのこと
雑誌ブルータスに「月1くらいで必ずライブラリーに行っている」と書かれていたので、もしかしてご本人に会えるかも!なんて期待を膨らませて、春樹さんの本も持参して(会えたらサインをもらおうと思っていた)行きましたが、この日は残念ながら会えずでした。
近くにいた館内案内係の方にお話を伺ったところ、月1くらいで突然いらっしゃるけど、オーラの消し方が上手で自然にふらっといらっしゃるので、他のお客さんに気づかれて騒ぎになったことはないです。とおっしゃっていました!村上主義者の皆さまは春樹さんが騒がれることを嫌っていることを知って、あえてそっとしているのでしょうか。春樹さんご本人に会えたら、一生の思い出ですよね。
3階にスタジオがあったので、こちらについても聞いてみたところ、これまでに一度「村上RADIO」の収録をすたことがあるとのこと!
ライブラリーでは月に何度かイベントをやっており、春樹さんも来られるものもあるので、イベントに参加してみてはどうでしょうとおすすめしていただきました。
長年ファンでいても中々お目にかかれない春樹さん。少し身近に感じることができて嬉しかったです。
ライブラリーにあるカフェ、オレンジキャット
「オレンジキャット」という名前は、 村上ご夫妻が学生時代に経営をはじめたジャズ喫茶「ピーターキャット」の由来にもなっているピーターという 猫がオレンジキャットと言われる種類だったため、それにちなんで命名してくださいました。 早大生3人が主体となって経営しており、 約半年かけて入念に準備を進めてまいりました。
橙子猫(オレンジキャット)公式より
1階にあるカフェは予約不要で利用ができます。
おいしそうなドーナツがショーケースにずらり。お昼ご飯がまだだったので、たらこパスタとコーヒーを注文しました。ほんとうはドーナツも食べたかったけど、食べ過ぎなので断念。次回来る時の楽しみに取っておくことにしました。
カフェのある1階には春樹さんの書斎を再現した「村上さんの書斎」
春樹さんの経営していたジャズバー「ピーター・キャット」で実際に使用されていたピアノ
村上春樹×蜷川幸雄の舞台「海辺のカフカ」で使用された土星なども展示されており
ファンにはたまらない空間となっています。
企画展「村上春樹 映画の旅」
ライブラリーのお隣にある建物、建物演劇博物館では企画展「村上春樹 映画の旅」が開催されていました。
期間:2022年10月1日〜2023年1月22日 入場料無料
この企画展を見て、私も昔々はTSUTAYAで借りて観たなぁと懐かしく思い出しました。
いつのまにサブスクリプションで映画の大量消費している自分に気づいたというか、
(つまらなそうって思うとすぐに消してしまったり、次の映画を見始めたり)
春樹さんの言うように、お金を出して映画館やDVDレンタルをしていた時代は、観る前の心構えが違ったというか、何かこの映画から見出そうと気合を入れて最後まで観ていたように思います。
最近サブスクで見た映画は思い出せないけど、何十年も前に見た映画のワンシーンは鮮烈に思い出せたりするんですよね。あのシーン良かったよなぁって。
春樹さんの小説を読む上で、そこに出てきた映画を実際に観たことがあると
「あぁ、あのシーンの、あの感じね!」と頭の中で映像化しやすくなるように思います。
もちろん小説を読んでる時点ではまだ観たことがない映画もたびたび出てきて、そのまま読み飛ばしてしまうこともしばしば。もったいなかったなぁと気づきました。
今回の企画展でまだまだ観たことのない映画が沢山あることを知れたので
たまには最新の映画ばかりではなく、昔の良作を観てみたいです。
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